みなさん、
まちの未来の姿を自分たちの手で作り上げるチャンスがあるとしたらどうしますか?
歴史的資源を持ち、水辺や公園空間を備えている
この富山県庁周辺エリアのポテンシャルを最大限に引き出し、
県民や県外からの来街者にも魅力的な空間にするためには、多様な視点と創造的なアイデアが必要です。
そのため、優れたアイデアを富山県内だけでなく
全国から広く募集する、アイデアコンペを実施します!
あなたのクリエイティブなアイデアで、県庁周辺エリアの未来を一緒に形作りましょう!
県庁周辺エリアアイデアコンペ
最終審査結果
12月1日(日)の公開プレゼンテーションおよび質疑応答の内容をふまえ、
審査会で厳正に審査を行った結果、以下のとおり決定しました
発表への全体講評
今日の審査は大変僅差でした。アイデアの斬新なところを評価する視点もあれば、ソフトな仕組みを評価する視点もあり、
また、形態としての公園のすばらしさを評価するというものもありました。評価の視点もそれぞれ分かれていたので、
今回は、いろいろなバランスの中で最優秀賞と優秀賞が決まったと思います。
64作品もの応募があったということが想像以上で、我々にとって嬉しいことでありました。
何よりもこの地域のことをこれほど時間をかけて、エネルギーを注ぎ込んで考えてくれた。
今、NHKの跡地が空いていて、県民の皆さんはそこを通るたびにどうなるのかなと思っている。
そして県庁前公園も、見事な公園で魅力はあるが、老朽化しておりこれもなんとかしたい、という風に県民の方も思っていると思います。
それに対して、県内外からエネルギーを注いでいろいろなアイデアを出していただきました。YouTubeで視聴頂いている方も含めて、
外の方がこれだけエネルギーを注ぎ込んでくれたのだから、県内でも何かいいものを作っていきたいという気持ちは当然盛り上がってくると思います。
いろいろなアイデアをうまく吸収して、いい形で、県庁周辺のエリアにいいものが最終的にできていくといいですね。
短期・中期・長期のフェーズがありますが、それがこの場所だけではなく、駅から城址公園に至るような広い地域の南北の中心軸を上手くつないでいくことに繋がるように、
まち全体がさらに魅力的になっていくことに繋がっていけば、我々としても選考に携わった意味があります。
そういう意味では、このマネジメントが進んでいく一つのステップであって、ここに多くの方が寄与していただいたことに深く感謝します。
(西村審査員長)
最優秀賞
- タイトル:
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『KENCHO AMAZING PARK』 - 提 案 者:
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中倉 徹紀
(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻助教/株式会社中倉徹紀建築都市設計)Aimi Zhang
(株式会社中倉徹紀建築都市設計)丹部 一隆
(メッシュ景観設計事務所Tokyo)中田 朱音
(メッシュ景観設計事務所Tokyo)Masashi Nakamura
(mesh landscapearchitects Hannover)堀 智洋
(東京大学工学部建築学科)
- 講 評:
- 県民市民、来街者のための居場所になるグリーンコリドーを中心とした明解な全体構成、市内電車や城址大通りを引き込んだインフラの大胆な提案、
そしてきめ細やかな建築や空間の仕組みのデザイン。これらがしっかり噛み合っているということで、最優秀賞として高く評価されました。
さらに食をキーにするという提案も目を引きましたが、強いて言えばその食の内容や、樹種などのランドスケープにも地域性を持たせるなど、 グリーンコリドーのつくり方にさらなる工夫があると良いのではないかという意見もありました。
ただ全体としては利用者のウェルビーイング(よく生きること)が想像できる、ワクワクする提案としてまとまっていました。
(田中審査員)
優秀賞
- タイトル:
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『THE FUTURE HISTORY PARK
ー過去、現在をつなぎ、未来を発信する都市公園ー』 - 提 案 者:
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沼 俊之
(dot studio 一級建築士事務所)
- 講 評:
- 噴水やすり鉢広場を持つ広大な広場と、松川沿いの親水パークを、県庁を通り抜けるストリートがつなぐ「セントラルパーク」が富山駅とまちなかを繋げる構想です。
現在は地域資源を断片化しているという問題意識に対して、特区広場としてのパークがそれらを結びつける可能性を感じ、優秀賞として評価されました。
広域的な視点と具体的な建築も含めた空間的な視点、それらを段階的につくっていくという時間的な視点によりまとめられたのは素晴らしい力量と思います。
その一方で、起伏に富んだ地形と店舗の関係、そのつくり方が将来の展開性に制約となるのではないかという懸念もあり、残念ながら最優秀賞には一歩及びませんでした。
(田中審査員)
入賞
- タイトル:
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『とやま結いの通り』 - 提 案 者:
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見角 彩楓 多田 眞里子 ポダー メラニー 本多 裕紀
(株式会社フィールドフォー・デザインオフィス)
- 講 評:
- 有機的で柔らかい曲線形の屋根が東西方向に繋がっているのがとても印象深いデザインです。
富山は雨が多く雪も降るので、屋外の屋根つき空間はとても有難いものです。
屋根の下のカフェやショップ、工房などを通じた活動も提案されており、とても魅力的に感じました。
県庁周辺エリアは、西側に小学校や中学校、高校などが集まる文教地区があり、児童、生徒らの通学路にもよく使われる場所です。 このデザインが実現すれば、通学路もより印象的で思い出深いものになるように思います。 もちろん、学校に通う子どもたちだけでなく、大人やお年寄り、ビジネスパーソンや来街者など、 さまざまな世代、立場の人々にとって魅力的な空間だと思える素敵な提案でした。
(久保田副審査員長)
- タイトル:
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『とやま・パブリック・ライフをここから』 - 提 案 者:
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前山 倫子
- 講 評:
- 県庁周辺から富山の街全体に波及するという点において、広域に通底するパブリック・ライフというキーワードを軸に提案をいただきました。
パブリック・ライフという理念は明快で富山の街にとって大切なことですし、その考えが対象敷地の隅から隅まで満遍なく具体的なシーンとして散りばめられており、総合的で素晴らしい提案でした。
今回の提案の中で特に重要なシーン(情景とそれを具体化するアイデア)は何なのか、取り組みを実現するための鍵は何なのか、 長い計画スパンの中でどういったところから取り掛かれそうか、といったところがより明確に打ち出されていると、提案のメッセージが受け手にもより強く伝わったように思います。
(園田審査員)
- タイトル:
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『おどりだす富山』 - 提 案 者:
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西山 椋太(日建設計) 村松 幹允(日建設計) 緒方 陸人(早稲田大学大学院)
辻 玉実(法政大学大学院) 手代木 祐可子(東京大学大学院)
- 講 評:
- まちなか、県庁周辺エリアに対する分析は的確で、さらに県庁周辺エリアだけでなく城址大通りや川を含めて富山駅から総曲輪までの空き地などで個別に具体的な提案がなされていた点が素晴らしい。
大きな構造物の整備に頼らずに、小規模な構造物、多くの仕掛け、それぞれの運用や循環の仕組みという点に知恵が絞られている点が高い評価を受けました。
すぐにでも導入できそうなものもあり、また徐々に変化し、修正するなどチャレンジを繰り返していくことができそうだと感じさせました。
特性を際立たせる構造物や活動が何か一つあると、場の魅力が生まれて人が集まり、活動の持続に繋がるというイメージが湧きやすくなったのではと感じます。
(難波審査員)
- タイトル:
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『「とやま人(びと)」になる!』 - 提 案 者:
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川崎 泰之 野島 僚子 西山 有希 毛塚 順次 石田 武
(大成建設株式会社設計本部)
- 講 評:
- 全体パースに立山連峰が描かれており、まずその風景に胸を打たれました。
文化財である庁舎本館の姿を映し出す水盤、豊かな地下水をランドスケープとして可視化する仕掛け、厳しい冬の時期にも出掛けたくなる夜景、
どれも非常に美しく、もしプロポーザルであれば結果は違っていたかもしれません。
ただし、空間の完成度が高い分、ソフト面でもうひと工夫あっても良かったと感じました。 これだけ大きな水盤をどう維持管理するのか、例えば水を時々抜いて地域の皆さんで大掃除するなど、ハードと組み合わせたソフトの提案が加われば、より高く評価されたと思います。
しかし、それらを超えて私たちを強く惹きつける、富山の美しさを際立たせた素晴らしい提案でした。
(秋田審査員)
県庁周辺の活性化に向けた示唆
アイデアコンペがまちづくりのプロセスの中で実施されるのは、海外では決して珍しくありませんが、国内ではまだ珍しい取り組みです。
それにも関わらず、大変多くの応募をいただきました。今回は提案された内容がそのまま実現していくものではありませんが、
今後、県庁周辺エリアをどのようにしていくかを考えるうえで大変貴重なヒントを沢山いただけたと思います。
賞に選ばれた案だけでなく、選外になった案もすべて含めて、これからの県庁周辺エリアの将来像を描いていくうえで大変参考になります。
昨年度、「富山県庁周辺エリアマネジメント懇話会」が設立され、これまで産官学交えてこのエリアの将来のあり方について議論されてきました。
県庁や市役所の若手職員の方々に大学生も加わったワークショップも複数回開催され、それらを踏まえて、
「県庁周辺エリア未来ビジョン取りまとめに向けた論点整理」が令和6年5月に公表されました。その次のステップとして、今回のアイデアコンペが開催されました。
上記の「論点整理」の中で言葉として取りまとめられたものが、今回、さまざまなデザインのアイデアをいただいたことで、
このエリアの可能性がより具体的なイメージとして共有されたと思います。今回のコンペを踏まえて、県庁周辺エリアの将来に関する議論がより深まっていくことを期待します。
(久保田副審査員長)
- 審査員
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秋田 典子
千葉大学大学院
園芸学研究院 教授久保田 善明
富山大学
都市デザイン学部 教授園田 聡
有限会社ハートビートプラン
代表取締役田中 智之
早稲田大学 理工学術院
創造理工学部 建築学科 教授難波 悠
東洋大学大学院
経済学研究科公民連携専攻
教授西村 幸夫
東京大学名誉教授
國學院大學観光まちづくり学部
学部長新田 八朗
富山県知事
開催趣旨
持続可能なコンパクトシティの形成を目指した先進的なまちづくりが進められてきた富山のまちの中心に、
歴史的にも重要な意味を持ち、水辺や公園といった空間を備えている「県庁周辺エリア」があります。
このエリアは、富山駅からまちなかの商店街地区の中間に位置し、公共施設が建ち並ぶ重要なエリアですが、
活性化に向けたまちづくりの活動やプレイヤーが乏しい状態となっています。
まちづくりは行政だけではなく、地域に関係する企業や団体、学校、住民の方々はもちろんのこと、
県内、県外の多様な方々よりご意見やご提案をいただきながら、協力関係を築き、ともに未来を描いていくことが大切です。
そこで、歩いて楽しい、幸せあふれるウェルビーイングな場所となるよう、
変化を生み出していきたいと考え、10年後20年後を見据えた県庁周辺の未来の姿や持続可能な仕組みのアイデアを募集するコンペを開催します。
開催概要
- 名称
- 県庁周辺エリアアイデアコンペ
- 応募資格
- 個人、グループ、企業など、どなたでも応募できます
- 提案対象エリア
- 県庁前公園、旧NHK富山放送会館跡地、富山県庁舎及び敷地等
- 賞金
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最優秀賞 1作品 50万円 優秀賞 1作品 20万円 入賞 3作品程度 10万円 ※応募作品の状況等により、受賞作品数が変更となる場合があります。
- スケジュール
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応募期間 2024年8月7日(水)~ 10月25日(金)17:00まで 質問受付期間 2024年8月7日(水)~ 8月30日(金)17:00まで 質問回答公表 2024年9月13日(金)までに公表 参加登録締切 2024年10月18日(金)17:00まで 第1次審査結果発表 2024年11月上旬 最終審査、表彰・発表会 2024年12月1日(日) - 主催
- 富山県
- 後援
- 富山県庁周辺エリアマネジメント懇話会、富山経済同友会、富山商工会議所、国立大学法人富山大学、富山市
募集要項
資料一覧
提案内容
提案は、次の県庁周辺エリアの3つの「ありたい姿」のすべてをイメージした内容で提出をお願いします。
歴史・水辺・緑を活かしてまちの中心における
憩いと愉しみの空間を形成し、来街者・従業者・居住者の
ウェルビーイングを向上させるエリア
まちなかの連続性・回遊性を高めて
まちをシームレスにつなぐとともに、
周辺街区に賑わいの好循環をもたらすエリア
公有地を舞台に県内外の多様なプレイヤーが集まり
産学官民連携や人々の交流が積極的に行われ、
富山のまちの核として求心力と発信力を生むエリア
提案対象エリア
- 作品には、必ず下記のコアエリアのすべての対象施設を含めることとし、サブエリアは任意とします。そのうえで、特定のテーマやコンセプトを磨き上げた提案を可とします。
- コアエリア、サブエリアに隣接する周辺部を含んだ提案も可能です。
- 対象エリア全体、さらには富山駅や商店街地区との関係性の視点を意識してください。
参加登録について
参加登録フォームより参加登録を行ってください。
参加登録いただいた代表者の方には、整理番号等をお知らせします。
参加登録期間 | 2024年8月7日(水)~ 10月18日(金)17:00まで |
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質問について
8月30日(金)までにフォームに寄せられた質問について、回答を公開しています。
提出物について
募集要項にて詳細をご確認ください。
提出方法について
提案応募フォームより提案資料をご提出ください。
応募登録期間 | 2024年8月7日(水)~ 10月25日(金)17:00まで |
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応募上の注意事項
- 本コンペティションは、県庁周辺エリアの未来の姿や持続可能な仕組みのアイデアを広く募集することを目的としたものであり、
提案内容の直接的な実現を前提とするものではありません。
構想を検討する際のヒントとして活用させていただきます。 - 応募にあたっては、提案への要求事項、提出及び審査のスケジュール等を募集要項にて詳細を必ずご確認ください。
お知らせ
- 2024.12.16 最終審査結果を公開しました。
- 2024.11.15 第一次審査通過者の情報を公表しました。
- 2024.11.08 第一次審査通過者を発表しました。
- 2024.10.25 提案応募を締め切りました
- 2024.10.18 参加登録を締め切りました
- 2024.9.24 協賛について掲載しました
- 2024.9.17 アイデアコンペ交流会を開催しました
- 2024.9.12 質問の回答を公開しました
- 2024.9.4 交流会開催について掲載しました
- 2024.8.30 質問受付フォームの受付を終了しました
- 2024.8.20 富山県庁舎本館敷地内配置図及び富山県庁舎本館立面図の提供を開始しました
- 2024.8.9 審査員の写真を掲載しました
- 2024.8.9 現況写真データ(著作権フリー)について、提供を開始しました
- 2024.8.7 参加登録、質問受付、提案応募登録を開始しました
- 2024.7.31 公式WEBサイトをオープンしました
- 2024.7.31 募集要項を公開しました
事務局
県庁周辺エリアアイデアコンペ事務局(株式会社日本総合研究所・株式会社PCO)
200010-toyama_kenyuchi@ml.jri.co.jp
協賛
(順不同)
本コンペは、企画の趣旨に賛同する企業・団体等の皆さまから協賛いただいています。
各企業・団体等からの協賛金は、県庁周辺エリアアイデアコンペに要する経費に活用させていただきます。
また、今後も協賛いただける企業・団体等を募集しておりますので、お問合せください。